こんにちは、山本蓮理です。
みなさんによくいただく質問の中に、「どうやってロゴを作っていますか?」というものがあります。
人によってロゴの作り方はさまざまだと思いますが、私はいつもデザイナーさんにお願いするようにしています。
今はCanvaなど、自分でロゴを作る方法はたくさんありますが、ロゴは自分の商品やサービスを象徴するもの。
私はしっかりとプロに任せたいと思って依頼しています。
今回、「夢見マルシェ」のロゴを作ることになり、再び夢見菓子のロゴを作ってくださった「アトリエ白檀」デザイナーの山口誓子さんにお願いしました。
山口さんは、元々老舗のお菓子屋さんのパッケージデザインをやっていた経歴があり、マーケティングデザインにも精通している方です。
ベテランのデザイナーさんなのでいつも安心感があります。
デザイナーさんに相談する前の私
今回は商品ではなく、マルシェ自体のロゴ。
ロゴを作るとき、多くの人はとりあえず絵を書いたりなんとなくの色やイメージから入るのではないでしょうか?
私もよくその方法で考えるのですが、今回難しかったポイントは「マルシェ」というものが持つ元々のイメージがあったこと。
他のマルシェの画像をみると、テントのマークだったり、野菜や果物のシルエットがあったりするものが多かったのです。
そのため、そこに引っ張られてしまい、最初は私も「テントとかかなあ…」と思っていました。
しかし、「他と似たようなものにしたくない、夢見マルシェはお菓子に特化したものだし、室内で開催することもある」という思いもあり、なんとなくもやもやしていました。
そこで、第一回の打ち合わせを山口さんとすることにしました。
この時点で私の中であった要望は夢見キッチンのロゴに使ったピンクを使いたい、ということくらいでした。
まずはとにかくイメージを書き出してみる
打ち合わせでデザイナーの山口さんに提案されたのは、「とにかくイメージできることを書き出しましょう」ということ。
そこで、ひたすら私が思う「夢見マルシェ」のイメージについて書き出していきました。
私が書き出したのは、実際にはこんな感じ。
夢見キッチンのロゴにあるピンクを使いたい 紫を使うならなら薄紫 野菜を売っているマルシェではない →スイーツっぽさがほしい 地域に特化したマルシェではない 室内が多い(駅構内、レンタルスペースなど いずれ野外もある可能性はある) スイーツとパン スタイリッシュ 手作りで作るスイーツ →安売りをする場所ではない 丁寧な、こだわった材料、スーパーでは手に入らない個性あるお菓子に出会える →安いものを求める人をターゲットにしてはいけない 高くてもいいものを買いたいという人 →女性、30~40歳くらい 子供にいいもの食べさせたい 自分へのご褒美に ちょっとした贅沢を買いに来る場所 シェアキッチンを使ってくれてる人が出店するマルシェ それ以外の人が出店できない シェアキッチンを使う人=店舗がない、初めて人に販売する人 →まだどこにも出てない、まだ誰も知らないスイーツ、お気に入りが見つかる →原石 →宝石 宝箱 夢 始まり →シンデレラが舞踏会に行けるみたいな 舞踏会=マルシェ 夢見キッチン=山本蓮理が魔女として利用者に魔法をかける 魔法がかかった舞台が夢見マルシェ
書き出す時のポイントとしては、
- マルシェ(=商品)の概要・中身から考える
- 競合と比べて違うところを考える
- セールスポイントを考える
- ターゲット(キッチンの利用者さん、購入者さん)について考える
などがヒントになりました。
・マルシェ(=商品)の概要・中身から考える
のみだと、
・マルシェ
・スイーツ
しか要素がなくて、ありきたりなイメージになってしまいます。
しかし、そこに新たな要素が加わると奥行きが出て、個性的になります。
また、そこで出した要素がブランディングに繋がっていきます。
実際、私も書き出している間にどんどんこれまでのマルシェのイメージが洗練されていくのを感じました。
普段から漠然と考えていることでも、まとまっていないことって多いんだなと思いました。
それを書き出してラベリングすることで初めて相手に伝わるということも痛感しました
書き出したイメージを元にデザインしてもらう
書き出したメモを元に、山口さんにデザイン化してもらいました。
最初に届いたのはこんな感じのデザインでした。
さすがのデザイン。
すでに最終版に近い感じはありますが、この時点ではまだ「いいけど、なんかちょっと違うかな…」という部分がありました。
最初のデザインを元に意見を出し合いブラッシュアップしていく
私の中の違和感を言葉にしたり、参考になるような画像を探しながら、気になる点について連絡しました。
以下、実際にデザイナーさんにお送りしたメールから抜粋しています。
・文字の太さがゴツく見える →もっと細めで柔らかい感じの方がいいなあと思いました。 マジョリカマジョルカくらいの小悪魔感がでた方か?(なんとなく今の感じだと強すぎるかなあと) 参考までにPinterestで集めてみたイメージです → https://pin.it/5eeeQ28 ・王冠よりもシャンデリアの方がいい →他にも装飾が加わるとのことだったのですが、 王冠とシャンデリアだとシャンデリアの方がマルシェのテントっぽい感じ(会場っぽい)もあっていいなと思いました。 この中で言うと左の2つですね! ガラスの靴まで入れてしまうと確かにシンデレラにイメージが限定されてしまうので、小さく入れるか入れないという選択肢でもいいですね。 ・スイーツを売ってる感じがどこかに出るといいかも? →ポスターの装飾でやればいいのかなとも思ったのですが、スイーツっぽい装飾か、やはり文字の感じが柔らかくなるといいのかなと思いました。 ・YUMEMI MARCHEの文字は下にある方がいい →シャンデリアのデザインだと文字を下にするとバランス難しいでしょうか? 上にあるのが違和感があって…。 それか、配置を囲むように丸くしてみたら全体的にも柔らかく可愛さが出るかなと思いました。 ・色は左下みたいに2色づかいかわいいなと思いました! ピンクと何かの2色とかどうでしょうか?
デザイナーさんはエスパーではないので、言葉で言われても伝わらないこともよくあります。
例えば、「もっと可愛くしてください」と伝えても「可愛い」は人それぞれですよね。
なので、参考になる画像を用意して、「この画像のここみたいな感じで、色はこの色」などできる限り具体的に伝えてあげるとイメージを共有しやすくなります。
上がってきたデザイン自体に要望を書き込んで渡すのもわかりやすいですね。
デザイナーさんはこちらのイメージを具現化してくださる役割なので、丸投げにするのはやめましょう。
あくまでも自分の判断で、自分の商品を作る感覚で主体性を持って進めることが大事だと思います。
客観的な意見が欲しいときは、SNSでアンケートをとってみる
複数回のやりとりを経て、だんだん形になってきたロゴ。
「この中のどれもいいなあ…」と思うところまできました。
悩んだのは色。
2色使うか、グラデーションにするかなどさまざまなパターンを出してもらい、最終的にこの4つに候補を絞りました。
ここで私一人で決めるのが行き詰まってきたこともあり、一度周りの人々に客観的な意見をもらうことにしました。
自分がやっているTwitter(X)、Instagramのストーリーズ、Facebokでアンケートを実施。
投票と、具体的な感想・意見がある方はぜひ書いてくださいと投稿しました。
たくさんの方がアンケートに答えてくださり、結果はこうなりました。
④が大差をつけて人気でした。
最後は自分の直感を信じる
アンケートを行った結果、たくさんの方から意見をいただくことができました。
ここで素直に④にしておいてもよかったのですが、なんとなく自分の中で「本当にいいのか?」というざわざわした感じが残ります。
このざわざわした感じから踏ん切りがつかず、最後にもう一度デザイナーさんに会って相談することにしました。
その結果、
- 紫色は夢見菓子のロゴにも使用している色ですが、夢見マルシェは夢見菓子だけのものではないこと
- 紫色自体がお菓子のイメージから遠ざかってしまうので控えめにする
- 文字はピンク一色の方が視認性がよく遠くから見た時にも見つけやすいこと
などから、最終的に2色づかいではなくピンク一色にすることになりました。
「せっかくアンケートとったのに…」と思われるかもしれませんが、いろんな意見をもらう中でみなさんのロゴに対する見え方がわかって、その結果自分の考え方がまとまったので無駄ではありませんでした。
出来上がったロゴはこちら。
最初に思っていた「よくあるマルシェ」のイメージではなく、夢見マルシェらしいロゴになったと思います。
デザイナーの山口さん、ご意見くださった方々、本当にありがとうございました!
ロゴができるまでにかかった期間
このブログを書くにあたって、最初の依頼からどのくらいの期間で完成したのだろう…と思い、時系列でまとめてみました。
- 5月24日 ロゴ作成の依頼メールを送る
- 5月26日 夢見マルシェの基本データを送る(どんなマルシェなのか、これまでのチラシなど)
- 5月28日 「夢見マルシェ@笹塚駅前」をデザイナーさんに視察してもらう
- マルシェ終了後に初回の打ち合わせ(イメージを書き出す)
- 6月19日 デザイナーさんから最初のロゴデザインが届く
- 6月20日〜7月13日 修正のやりとり(メールのやりとりは6往復くらい)
- 7月15日 候補4つのアンケートをとる
- 7月28日 デザイナーさんと会って相談
- 最終決定
- 8月4日 ロゴ納品
ロゴ完成までには2ヶ月超かかったことになります。
まとめ
今回のロゴ作成、かなり悩んだのですが、後悔しないためにしっかり考える時間を取ることができてよかったと思っています。
今もロゴはしっかり使わせていただいております!
これから自分のお店のロゴを作られるという方、少しでも参考になれば幸いです。
プロのデザイナーさんにお願いするのに不安がある方は、頼む時の注意点や進め方をまとめた講座もありますのでぜひ見てみてくださいね。