開業ノウハウ基礎編

手作りお菓子の賞味期限の決め方!検査方法や費用はどれくらい?

手作りお菓子を販売するときは成分表示を記載する義務があります。

その中の項目の一つである賞味期限を記載しようにも、どうやって決めればいいかわかりませんよね。

普段お菓子屋さんの開業相談にのっているといつも聞かれることです。

賞味期限をどうやって決めるか結論から言うと、検査に出すのが一番です。

今回は私が実際に賞味期限を決めるときにいくつかの検査機関から話を伺った内容をもとに、賞味期限の検査の流れや内容、費用について解説します。

音声で聞きたい方はこちら↓

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賞味期限はどうやって決める?

賞味期限を決めるときは「検査機関に出してください」が一番の正解です。

これは保健所に聞いた時も同じ回答になります。

保健所としては、「科学的根拠のある日数で賞味期限・消費期限を設定してください」と指導することになっているそうです。

だいたいこのくらいかなという、適当な期間ではいけないということですね。

検査機関への依頼の流れ

検査機関へ依頼する流れはおおまかにこのようになります。

業者を決める→検査内容を相談する→申し込み&検査品提出

それぞれ詳しく見ていきましょう。

業者を決める

インターネットで「賞味期限 検査機関」と検索すると、意外とたくさん業者さんが出てきます。

検査の会社は自由に選んで問題ありません。

厚生労働省の許可を持っているところは保健所も推奨しています。

認可機関のほうが信頼がありますね。

板橋区であれば徳丸の食品技術研究所などがおすすめです。

検査内容を相談する

まず賞味期限の目標日数はこちらで決めます。

決めた期間品質が保たれるか検査してもらいます。

賞味期限の目安
  • 常温 クッキーなら60日、パウンドケーキなどは30日
  • 冷凍食品 半年・一年など(細菌は繁殖しないと言われているため)

検査には目標の日数より1.25倍の日にちが必要とされています。安全係数0.8と言われているためです。

これは例えば目標が30日で、それ以降検査をしていなからったら30日目が本当に安全なのか心配があるため、1.25倍の38日も検査して問題なければ30日目は間違いなく安全と言い切れるということです。

業者にもよりますが、目標の日数に達するまでの間に10日おきや2週間おきなどで検査をして経過を見ていきます。

届いた日に行う初発検査(製造直後の調査)を含めて3回以上やるのが一般的です。

30日目標であれば、初発検査(製造直後の検査)、10日目、20日目、30日目、38日目の計5回といった感じです。

目標日数が何日で、その間に何回検査するか、後述の何について検査するかを相談して決めます。

申し込みと検査品の提出

検査内容が決まったら申し込みをします。

その後、普段の保存方法(乾燥剤など)の状態で検査機関に送るか、持ち込みで検査してもらうお菓子を提出します。

100gずつパッキングするなど、指示された通りの必要な分量を検査の回数分提出します。

あとは検査結果を待つだけです。

賞味期限の検査内容

何をもって食べても問題ないかというと、食中毒的に問題ないかということ。

そのため基本的には食中毒対応で一般生菌数・大腸菌群数・大腸菌数の検査を行います。

お菓子の場合は任意で黄色ブドウ球菌をつけるとより安心です。

なぜなら黄色ブドウ球菌はヒト由来の菌で、ケガをした手で作ると繁殖しやすくなるなることもあるためです。

焼き菓子は水分量が少ないので実は食中毒は出にくく、それよりもカビが心配されます。

そのため真菌(カビ)も常温保存の場合はやっておいたほうがいいと思います。

真菌の中には人体に良い酵母と人体に悪いカビがあり、真菌検査をすると真菌がどのくらいいて、そのうち酵母はいくつ、カビはいくつというのがわかります。

検査項目については検査機関でおすすめしてくれるので、相談の際に検討してください。

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賞味期限の検査の費用

もちろん検査機関によって金額は変わりますので参考までの金額です。

  • 一般的な衛生のセット 1回2,000円〜
  • 一般的な衛生のセット+黄色ブドウ球菌検査 1回3,000円〜

このように、1回が2〜5千円程度で検査の回数分必要になります。

目標日数までの途中の検査をやらなければ安くすることはできます。

冷凍食品検査は半年や1年といった長期間になるので、保管料がプラスというところも業者によってはあります。

途中の検査で問題が出た場合のそれ以降の検査は、毎日検査するような食品だと難しいですが、検査の間隔があく場合はキャンセルできることもあります。

ただしキャンセル料がかかるところもあるので確認してみてください。

賞味期限の豆知識

なんとなくの賞味期限は今までの経験でわかる方もいると思いますが、やはり科学的な裏付けをきちんと取ることが必要です。

ここで少し、賞味期限にまつわる豆知識をご紹介します。

  • 科学的に根拠をとっても、賞味期限を設定することは人の判断によるところが大きいのも事実です。自分の中のルールで夏は2週間、冬は3週間といったように同じ商品でも季節によって変えている人もいます。
  • 賞味期限を検査した結果を出してくださいと言われることはほとんどないです。しかし流通先が大きいところ、例えばコンビニやデパート等に出す場合や、都や県の推奨のお土産とか認定を受ける場合は検査結果の提出を求められることもあります。
  • 少しでもレシピが違えば検査に出すべき。こちらは保健所の方も推奨していて、まったく同じレシピで果物だけ違うタルトや、抹茶かココアかだけ違うパウンドケーキ等、1つでも材料、またはレシピが違えば検査に出したほうがいいです。

検査は計画的に

取り扱う全ての商品を検査に出すには時間もお金もかかります。

それでもしっかりと検査に出して、自分の商品がどのくらいの賞味期限なのかという不安は払拭しておきたいですね。

1か月の賞味期限を付けるのはに38日もかかります。

計画的に商品を作って、自信をもって販売できるように準備していきましょう。

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