開業ノウハウ

2021年6月施行!食品衛生法改正に伴う菓子製造業の営業許可制度の見直しが行われます

先日、夢見キッチンを管轄する保健所よりご案内があり、「食品衛生法改正に伴う講習会」に行ってきました。

食品衛生法は、食品製造に深く関わっている法律です。

その法律が改正されるということは、私のような菓子製造業を取得している事業者にも影響があるということ。

そして、食品衛生法の改正は実に15年ぶり。

これは大事に違いない…と心して説明を聞いてきました。

今回は、営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設について説明します。

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15年ぶりに食品衛生法が改正された背景

食品衛生法が改正された背景にあるのは

  • 食のニーズの変化や食のグローバル化など食を取り巻く環境変化への対応
  • 食中毒発生数の下げ止まりなど、食による健康被害の課題解決
  • 国際標準に合わせた衛生管理への対応が求められるようになっていること

など。

それにより7つの柱を中心とした食品衛生法改正が行われることになりました。

その中でも、菓子製造業に深く関わってくると思われるのが

  • 営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設
  • 原則すべての事業者にHACCPに沿った衛生管理を求めること

の2つです。

営業許可制度の見直しと営業届出制度の創設

東京都の場合、これまでの許可制度は「食品衛生法に定められた34業種」と「東京都食品製造業取締条例に定められた9業種」に分かれていました。

取り扱う食品に応じて、この中から必要な許可を取得するという制度です。

「食品衛生法に定められた34業種」…「飲食業」「喫茶店営業」「菓子製造業」などが含まれています。

「東京都食品製造業取締条例に定められた9業種」…「つけ物製造業」「製菓材料等製造業」などが含まれています。

この「食品衛生法に定められた34業種」についてはなんと昭和47年から見直しが行われていなかったそうです。

また「食品衛生法に定められた34業種」以外は、各都道府県が必要に応じて独自に条例を作ることになっていました。

山本蓮理

よく「各保健所によって言われることが違う!」「埼玉ではOKだったのに、東京だと許可が取れなかった!」ということが起きるのは、そのせいだったのですね。

今回の営業許可制度の見直しは、

  • 長年改正されなかった間に、法律と食業界の現状の違いが広がってきたこと
  • 制度を全国的に平準化して、地域ごとの差をなくすこと

この二つが大きな柱になっています。

改正後の許可制度は、「食品衛生法に定められた34業種」が「食品衛生法に定められた32業種」に改められ、各地域で定められていた条例許可は廃止されます。

各地域の条例は、2021年6月1日以降は食品衛生法に定められた32業種の中に移行されたり、新たに創設される「食品届出制度」が必要な業種になります。

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菓子製造業に関する変更点

ここまで背景を書きましたが、では実際に菓子製造業はどう変わるの?というと…

菓子製造業に関する変更点
  • 菓子製造業の許可で飲料を添えて店内で提供することができるようになる
  • 菓子製造業の許可で調理パン(サンドイッチ)の製造ができるようになる

この2つが大きな変更点です。

この2つ、これまではどうだったかというと…菓子製造業と飲食店営業許可を別々で取得しないとできなかったのです。

かなりの規制緩和ですね!

ちなみに「あん類製造業」も「菓子製造業」に統合されます。

同じように、飲食店営業許可についても、菓子製造業を持っていなくても菓子やパンの製造・販売ができるようになります。(短期間のうちに消費されることが前提なので、卸売りや通信販売をする場合は菓子製造業が必要になります)

つまり、簡単にいうと菓子製造業と飲食店営業許可の線引きが非常にゆるくなるという感じです。

菓子製造業のみで飲み物が提供できるようになるのはかなり画期的ではないでしょうか?

他にも菓子製造業に近いところでいうと、これまで「食品衛生法に定められた34業種」に定められていた「乳類販売業」や、東京都の条例に含まれていた「製菓材料等製造業(ジャムの製造はこれにあたります)」は「食品届出制度」に移行するそうです。

すでに営業許可を取得している場合の新ルール適用はいつから?

ここまでの説明を読んで、「今菓子製造業を持ってるから、6月1日になれば飲み物も提供できるようになるんだ!」と思われた方。

実はそうはならないのです。

2021年6月1日以降、新たに許可を取得した場合は、もちろん新・食品衛生法に基づく営業許可が適用されます。

しかし、すでに許可を取得している場合は経過措置が取られます。

元々、菓子製造業の営業許可には取得から6年間という有効期限がありますよね。

その有効期限が切れるまでは、現行の旧・食品衛生法が適用された許可のままということになるのです。

有効期限が切れて、更新手続きを行った場合に初めて新・食品衛生法が適用されます。(この場合の更新手数料はこれまでと変わらない予定だそうです)

菓子製造業の営業許可制度の見直しまとめ

これまでも私たち事業者を大いに悩ませてきた「菓子製造業の営業許可で何ができるのかわかりづらい」「管轄の保健所によって指導内容が違う」などの問題。

今回の規制緩和は、説明会で聞いた限りその悩みを少し和らげてくれるような感じがしました。

ちなみにこの説明会を聞いて、「夢見キッチンでもお菓子と飲料の販売ができるようになるのかな?」と一瞬喜んだ私ですが…

「販売専用の仕切られたスペースが必要」などの設備条件は変わらず存在していて、そのスペースがない限り直接販売はできないとのことでした。

自分の設備の中で何ができるのか、新・食品衛生法により何が変わるのか。

やはり詳しいことは一度管轄の保健所に相談してみることが大切ですね。

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