夢見キッチンの製造室を利用している方をお呼びして、今の活動などをインタビューする企画の第5弾!
今回は、洋菓子るぽの倉田しのぶさんにお話をお伺いしました。
今後レンタルキッチンのご利用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
「洋菓子るぽ」パティシエ。
店名の「るぽ」はフランス語 repos = 休息、安らぎという意味から名付けました。
余計なものは入れず、原材料にはとことんこだわった、シンプルでクラシカルな洋菓子をご用意しています。
どこでも売っている、誰もがよく知っているお菓子ですが、シンプルだからこそ奥が深いのが伝統菓子です。
今までパティシエとして華やかなケーキやデザートも作って参りましたが、シンプルな伝統菓子の奥深さを追求するのは、また違った楽しさがあり、作るのも食べるのも大好きです。
それぞれのお菓子のおいしさと個性を出せるように、一つ一つ丁寧に手作りしています。
大切な家族や仲間へ、そして自分へのご褒美として…
ギフトはもちろん、仕事の合間のブレイクタイム、家でホッとくつろぐご褒美タイムにも。
毎日頑張っている大人の皆様に…
忙しい日常の中でも、ちょっとだけ贅沢な癒しの時間を過ごしていただきたい…
お菓子の力で幸せなひとときを作るお手伝いができたらうれしく思います。
https://www.patisserie-repos.net/
https://www.instagram.com/patisserie.repos/
がんばっている大人たちに贈る、優しいお菓子
山本:今日はよろしくお願いします!
倉田:よろしくお願いします。
山本:まず倉田さんのお店の紹介をお願いします!どんなお店でしょうか?
倉田:洋菓子「るぽ」という名前でお店を出しています。フランス語で「repos」という言葉から取っていて、休息とか安らぎとか癒しっていう意味なんです。仕事、家事、育児など当たり前に頑張っている大人たちが、ほっとできるような時間を提供できたらな…という思いで、大人向けのお菓子を作っています。余計なものは入れず、体に優しいもの、味にこだわって原材料を選んでいます。あとは、甘さを控えめにして、素材の味を活かしたお菓子をメインにして作っています。
山本:優しい思いから出来たお店なんですね!ネット販売中心ですよね?
倉田:そうです。
山本:キッチンを借りる前にお話しさせて頂きましたね!元々やられていたお仕事があって、そんな中で「自分でお店をやりたい!」っていう気持ちがあり、実行に移していこうということで…。
倉田:そうですね。
山本:そういう、タイミングで来てくださったんですよね。ちょうどコロナの時期になってからでしたよね?
倉田:なってからですね。私はパティシエになってから10年経ちます。「お菓子屋さんをいつか自分でやれたらな」ぐらいの感じで考えていたんですけど、具体的に踏み込む勇気は無くて。ずっとレストランなどで働いていました。きっかけになったのはコロナっていうのがすごく大きかった。店舗がある事にすごいリスクを感じました…。実際に、急激に傾いちゃったりしたんです。コロナをきっかけに、売り方や働き方を変えていく必要があると感じました。本当は、「カフェをやりたい!」という夢があったんです。でも、店舗を持つのは厳しいよなぁ…っていうところで、ネット販売ってどうなんどろうな…と。それでいろいろ調べて、「やってみよう!」と思いました。
お店のオープン自体はスムーズ。そこから知ってもらうのが大変
山本:オープンされたのはいつでしたか?
倉田:2021年7月です。
山本:半年前ですね!販売はBASEでしょうか?
倉田:BASEです。
山本:今は、BASEのみで販売しているということですね!メインで作っているのはなんですか?
倉田:焼き菓子全般です。一番出るのは「ガレット・ブルトンヌ」です。最近はそればっかり作ってます。あとは、パウンドケーキとか、フィナンシェとか、マドレーヌとかその辺りになりますね。
山本:なるほど!実際販売してみてどうですか?自分が想像してたより大変でしたか?
倉田:思ってたより、お店は簡単に開けるんだな…って思いました(笑)
山本:あはは(笑)そうですね!
倉田:もっと手続きとか色々難しいのかな…と思っていたんですが、この時期で、私みたいな人が増えてるのか、BASEも分かりやすく導入できるようになってたりとかして。
こういうレンタルキッチンみたいなところもすごくありがたい。場所がなかったら、こういう事も出来なかったので。オープン自体はスムーズにできるけど、そのあとの自分のお店を知ってもらうというのが難しいなと感じています。
山本:ここからですね、スタート地点ですね。
レンタルキッチンの検索から夢見キッチンを見つけ、実際に蓮理さんに会ってみたいと思いました!
山本:最初に夢見キッチンを見つけたのは、ネット検索ですか?
倉田:検索です。ネット販売をやるにはどんな形でできるんだろうな…?と。最初に「レンタルキッチンってどんな所なんだろうな?」というところから調べていました。
結構早い段階で、夢見キッチンさんのブログを見つけたんです。ブログを読んで、「本当に一からキッチンを作ったんだなぁ…すごい!」と思っていました。いろんなキッチンがありましたが、「蓮理さんに会ってみたい!」っていうのもあって、コンタクトを取りました。
山本:嬉しい!ありがとうございます!実際にレンタルキッチンがあったから、一歩踏み出せたみたいな感じはありますか?
倉田:そうですね。それはとても大きいです。
それから、私みたいな人たちが大勢いるんだな、ということもブログなどを通して知れたのも大きいです。「やれないことはないんだな…!」って勇気をもらえた。
最初に調べてた時は、出来るかどうかもわからない状態で調べてたけど、蓮理さんのブログを読んで、「やってみよう!」と、一歩踏み出せました。
山本:ブログで公開していて良かったです!
自分で事業をやることの難しさと感動
山本:倉田さんは10年間パティシエの仕事をされていたんですよね?お店を持ちたいと思っていたけど、なかなか踏み出せなかったのは、何がハードルだったんですか?
倉田:やっぱり、自分で事業をやるっていうこと自体をやったことが無いっていうのが大きいです。
雇われてるほうが楽というか、言われたことや自分の役割をこなせばいいというか…。お菓子には携われてたから、楽しいは楽しいし、お給料も安定してもらえるし、ある程度満足は出来てたんですけど…
山本:それでコロナになって考え方が変わったんですね。
倉田:お店に就職してだいぶ経つから、「次を考えないといけないな…」っていう時期とちょうどコロナの時期が重なったんです。
山本:色々なタイミングが重なっていた時だったんですね!実際にお店を作っていく中で、何が一番大変でしたか?
倉田:私は、経理とかそういう…(笑)
山本:そっちですか!(笑)そうですよね…個人事業主になっていくっていうことですよね。今年、初めての確定申告ですか?
倉田:そうです。確定申告もドキドキですよ!
山本:初めてですもんね!頑張りましょう!私は自分が会社員だった時に、会社としては物を売ってたんですけど自分自身で物を作ってダイレクトに売っているっていう感覚が全然無くて…。お客さんが、ダイレクトにお金を払って、買ってくれているっていう感覚じゃなかったんですよね。
倉田:それ、わかります…!
山本:だから、最初のころ、イベントの出店をよくやっていて、目の前でお客さんに一個何百円でお菓子を買ってもらえるっていうのが、すごく重くて。
倉田:確かにそうですよね…責任というか…
山本:会社から給料をもらうことよりも、目の前で300円を渡されることの方が、「すごい!」と思った自分がいました。これが収入になって、これで生活していくんだ…と、最初の年はいちいち感動してました。
倉田:感動ですよね!
山本:自分にお金を払ってくれる人っているんだ!みたいな感じ。
倉田:分かります。注文してくれると、買ってくれる人がいるんだ…!って感動しますよね。
2022年の目標はマルシェ出店!
山本:開店されて、まだ半年ですが、今年の目標を聞かせて下さい!
倉田:今年の目標は、自分のお菓子を広げていくことです。2月に予定してるんですけど、マルシェに出店したいなと思っていて、今年からちょっとずつそういうこともしていきたいと考えています。
山本:この先で、どこか実店舗でお店を出してみたいとか考えてますか?
倉田:まだ、分からないですね。意外と、ネット販売って効率的というか…。これはこれで続けていきたいと思っています。マルシェに出店したりすると、客層とかターゲットが変わってくると思うので、それを考えるのが、今は楽しいです!利益を得るよりも、知ってもらう為の広報活動みたいな。その中でのお客さんとのやりとりもきっと楽しいんだろうなぁって思ってます!
山本:私は、始めた頃、ネット販売をやってなかったので、毎週どっかのマルシェに出店してたんです。その時に、「接客があまり得意ではない」って気がついて、ネット販売に切り替えちゃったんです。作っている商品が、あまりマルシェに向いていなかった(説明がたくさん必要だったり)。お客さんが目の前で見た瞬間に、ぱっと欲しいものじゃなかった。それよりも、「この人のためにこれが欲しい!」とか、考えて買うものだったので、ネット販売に切り替えた部分がありました。
でも、マルシェに出していてよかったこともあって。それはお客さんのリアルな反応とか、「この時こういう反応するんだな…」っていうことが分かったことです。ネット販売だと、レビューが返ってこないと、感想とかがわからないんですよね。
倉田:そうだったんですね!
山本:ネット販売って最初に準備しなきゃういけないことが多いですよね。写真とか、ロゴとか、文章とか…。そういう作業は苦にならなかったですか?
倉田:大変でした。一個新しい商品を考えるのに、結構時間かかるじゃないですか?どんどん新しいものを作って、回転させて…っていうのは難しいと思いますね。
山本:ネットは本当にそうですよね。
倉田:ネット販売では、時間をかけてしっかり練った物を作っていく。マルシェでは、もう少し幅を広げて、マルシェ限定のお菓子とか…そんな感じのものを考えています。
お菓子を作ることだけは不思議と嫌いにならなかった
山本:倉田さんは、子供の頃からお菓子を作るのが好きだったんですか?
倉田:全然です(笑)作り始めたのは大人になってからですね。
山本:あれ?専門学校とかじゃなかったでしたっけ?
倉田:専門は行きました。働きながら社会人の専門学校に行きました。
山本:すごい!
倉田:週一で一年間行きました。
山本:それで、パティシエに転職したんですか?
倉田:そうです。
山本:大人になってからの夢だったんですね!
倉田:自分の進路を決める頃に、パティシエになりたいなんて思ったこともなくて。
山本:何がきっかけだったんですか?
倉田:前の仕事をしている時は、それなりにやりがいを感じながら仕事をしていたんです。でも、休みの日までその仕事のことを考えるほど好きかと言われると、そこまでではないなと思って…。
好きなことを仕事にしたら楽しいんだろうなぁ…と思い始めて、その時にふっと思いついたのがお菓子だったんです。
お菓子は、休みの日に作ったりするのが楽しくて、ちょっとハマってたんで…
山本:パティシエになって、実際に仕事としてやったときは辛くならなかったですか?
倉田:いや、もちろん辛かったです。結構大変で。専門職というか、職人の集まりで、それに未経験で入っていくという…。
趣味で作っていたり、学校で学んでいたとしても、いざ始めてみると、周りにいるのはプロばっかりで。本当に厳しい世界でした。パティシエになって、最初の3年くらいは本当に大変でしたね。
本当にキツかった。でも、お菓子作りは嫌いにならなかったんですよ。その辛い時期でも、お菓子を作ることだけは好きだった。
休みの日に、「次はどんなお菓子作ろう?」とか、不思議とそういうことは考えていたんですね。なので、苦しいことはあったけれども、嫌いにはならず…。夢は捨てずに、ずっと続けてきましたね。
山本:その時に、「お店を作るんだったら、こういうのを出したい!」とかっていうのは考えてたんですか?
倉田:考えていたんです!妄想になるんですけど(笑)
休みの日とかには、「自分がお店を出すとしたら…」っていうので、メニュー考えたりとかそういうことをやってました。
山本:じゃあ、今、本当にそれが実現したということですね!
倉田:近付いたかな!一歩踏み出したかな…!って感じです。
山本:そこに少しでも携われて嬉しいです!(笑)
続けること、積み重ねの大切さ
山本:でも、続けることって本当に難しいことですよね…。
倉田:本当に…。でも、続けることだなと思います。
山本:私も、最初にやり始めた時、周りの人に「積み重ねだからね」と言われていたけど、全然響かなかったんですよね。その時は想像がつかなかった。自分がこれを続けていったからといって、お客さんが本当に増えるかなんて分からないじゃないですか。
倉田:分からないですよね。
山本:だから、めちゃくちゃ不安でした。だけど、4年、5年経ってみると、本当に積み重ねしかなかったなって思います。「言われていたことが正しかったんだなぁ…」って。
倉田:私は、最初にパティシエになって、働いたお店が、当時話題になっていたお店で。今言っても、誰も覚えてないくらいになっちゃってるんですけど…。その当時は、一世を風靡していたようなお店だったんです。
お菓子って怖いなって思ったのが、そのブームに乗った時はめちゃくちゃ売れるんです。これが、3年も経つと忘れ去られて、ブランドも無くなっちゃってるんですよ。
山本:そうなんですか!?
倉田:そうなんです。これを体験したから、最初に急激に売れるっていうのは、逆に不安で。だから、コツコツと積み重ねていったほうがいいなと。自分が体験したので…。だから、焦らずに行こうかなっていうのを思っています。
山本:素敵ですね!なんかいいなぁ…。倉田さん、いつも落ち着いてますもんね!
倉田:年の功ですよ!(笑)
これからお菓子屋さんを始める方へのメッセージ
山本:これからお菓子屋さんを始めようという方にメッセージがあれば聞かせて下さい!
倉田:なんだろうな…。「一歩踏み出す勇気を持ってみて!」と思います。やってみたらなんとかなることってすごく多いです。助けてくれる人がいるっていうのは、やっていて感じます。進んで欲しいですね。夢を持ってる人は。
山本:私もそう思います!倉田さんから、「こんな人がいるんだと思って、会ってみたいと思いました!」っていうメッセージをもらった時、すごく嬉しかったです。自分は分からないでやってきたことも、他の人から見たら面白いって思ってもらえたりとか、それを目指してくれたりする人がいるんだなぁ…って、その時に思いました。
倉田:蓮理さんに会いたい人は居ますよ!いっぱいいると思いますよ!
山本:最初に倉田さんに会ったときのことを思い出しました。今日は、これから始められる方も勇気をもらえたんじゃないかと思います!今日はありがとうございました!
倉田:ありがとうございました!