夢見キッチンの利用者さんに今の活動などをインタビューする企画の第7弾!
今回は、夢見キッチンの利用を経てご自身の店舗をオープンされた「スコーンとコーヒーテイクアウトのお店 Alba」鈴木陽子さんさんにお話をお伺いしました。
今後レンタルキッチンのご利用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
「スコーンとコーヒーテイクアウトのお店 Alba」オーナー。
犬用グッズの製作・販売を経て、手作りのスコーンの販売を始める。
2020年からスコーン&クッキー287として、ロハスや朝市など板橋区内のイベントを中心に出店。
2025年3月に「クロワッサンスコーン テイクアウトのお店 Alba」としてときわ台に店舗をオープン。
看板商品はパイ生地とスコーン生地を重ねて焼いた、新食感クロワッサンスコーン。
https://www.alba.pandayomyom.com/
https://www.instagram.com/scone_alba/
スコーンとコーヒーテイクアウトのお店 Alba

山本:今日はよろしくお願いします!
鈴木:よろしくお願いします。
山本:まずは、自己紹介とお店の紹介をお願いします。
鈴木:はい。これまでScone&Cookie 287という名前で活動していて、今年3月10日にスコーンとコーヒーテイクアウトのお店 Albaとして改めてテイクアウトのお店をスタートした鈴木と申します。
スコーンが中心ですが、甘いスコーンだけでなくてお酒に合うようなしょっぱい系のスコーンも作ってます。
一番の売りは、去年思いついて作り始めた「クロワッサンスコーン」です。パイ生地とスコーン生地を重ねて焼いたものです。
山本:美味しいんですよね。
鈴木:お店では、いろんなところへ出店する中で出会った「スパイスコーヒー」さんのいろんなスパイスを使ったコーヒーも取り扱っております。
住所:» 東京都板橋区常盤台1-5-7
アクセス:東武東上線ときわ台 北口から徒歩2分
オープン時間:11:00~18:00
定休日:水曜日と、第1・第4の土日
手作りの犬グッズ販売から派生して始まったスコーン作り

山本:最初にシェアキッチンの見学に来ていただいた時にお聞きしたのですが、元々は犬グッズを作られていたんですよね。
鈴木:はい。元々犬グッズ(わんちゃんの洋服など)を作っていろいろな場所で出店していました。
ですが、固定で毎月出店するところが決まっていくと、わんちゃんグッズを買いに毎回来ていただくっていうのがちょっと難しいんですよね。
それで何か他のものを作れないかと思って考えたとき、ドッグカフェもやってみたかったということを思い出して、焼き菓子を作ってみることにしました。
作ってみた中で、一番自分の性分に合ってて美味しくできたのがスコーンでした。
周りの人に食べてもらって「いけるんじゃない?」って言ってもらえて自信がついてきて、販売するに至りました。
山本:そこでスコーンを選んだ理由、もっと詳しく聞いてみたいです。
鈴木:そんなに几帳面な性格ではないので、スコーンは多少形が崩れていても大丈夫なところがいいです(笑)
ヨーグルトを入れて作ることでいわゆる「口の中の水分持ってかれる」状態よりしっとりしていて、でもサクサク感もあるものにたどり着くことができました。
スコーンになったのは偶然って言えば偶然なんですけど、やっぱり「これだ!」という感覚がありました。
山本:運命を感じますね。
鈴木:最初はオーソドックスなプレーンやチョコ系のスコーンを作っていたんですけど、段々あんバターサンドとか食事系サンドも作り始めました。
甘いものだけじゃなくて、サーモンとクリームチーズを挟んでみたらどうかとか。出店先で出会ったチャーシュー屋さんのチャーシューが美味しかったので、「ガリバタチャーシューをクロワンサンスコーンの方に挟んだらどうか」とか、試行錯誤をするようになりました。
山本:私は最初に出店していただいたマルシェから見ていますが、確かにどんどん種類が増えていった記憶があります。
マルシェで会うたびにどんどんこう新しいものができていて、「すごいな!」と思っていました。今は定番になっている食事っぽいものも最初はなかったんですね。
鈴木:そうですね。
他にも、一緒にマルシェ出店していた人から紹介してもらって、すごく美味しかった塩漬け生胡椒を練り込んでみたらどうかなと思って入れてみたり。ドライトマトとバジルを入れたものだったり、クルミとゴルゴンゾーラだったり。
買いに来てくれるお客様も甘いのだけじゃなくて、しょっぱいのがあって珍しいから、「それだったら食べれる」って買っていってくださる方もいて。スタートして今3年経ったところですが、幅が広がってきたなと思っています。
夢見キッチンのサポートで初出店→熱意と行動力で独自のフィールド開拓

山本:夢見キッチンを利用していただいて3年、今ついにお店を出すというところまでこられたわけですけど、一番最初始める時はどんな感じでしたか?
お菓子を売るには営業許可がある場所で作らないといけないことを知って、そこからシェアキッチンを調べて、夢見キッチンにたどり着いていただいた感じでしょうか?
鈴木:そうです。
最初自分の家で作れるのかなと思って、いろいろ調べたら、自分の家で作ったものは売ってはいけないことが分かって。
そこで1回、ダメなんだと思ったんですけど、調べている中で山本蓮理さんの夢見キッチンっていうのが出てきたんです。
山本:最初は検索で見つけていただいたんですね。
鈴木:夢見キッチンは他のシェアキッチンとは違ってサポートしてくださる、出店の機会をくださるという特徴があるのが気になりました。
実際、作ったものを販売する機会(夢見マルシェ)をいただけて、そこでいろんな方とコミュニケーションも取ることが出来ました。
「バターどこで買ってますか?」とか「どの小麦粉使ってますか?」っていう情報交換ができたり。
マルシェ全体の準備も山本さんがしてくださるので初めてお菓子を販売する時にはすごく心強かったですし、何からどうしたらいいかも分からない中、できたのは山本さんのおかげです。
山本:ありがとうございます。
私は最初こそサポートさせていただきましたが、そこからの鈴木さんの活動がどんどん広がっていくのに驚かされました。気付いたら毎週どこかで出店されている感じになってましたね。
鈴木:はい!
山本:やっぱりマルシェでできた横のつながりから、どんどん広げていった感じでしょうか?
鈴木:そうですね。一緒に出店した方から「出てみない?」とお声がけいただいたり、Instagramで見た人から「うちで出店してみませんか?」と声をかけていただいたり。
あとはその場で作って温かいまま出してみたいと思って試しにカフェ営業できるところでやってみたりとか。
横のつながりが中心で広げていって、たまにそうやって新しいこともやったりしました。
山本:実店舗のオープンの時に、開店祝いのお花の数がすごく多かったですよね。
それを見て、この3年ですごい独自ネットワークを築いてオープンされたんだなあと思いました。
鈴木:開店祝いのお花には自分でもびっくりしました。
山本:私も知らない間にこんなに活動されてたんだなと、それを目の前で見せてもらって感動してしまいました。
鈴木:山本さんがいてくださってこそですけどね。
最初のとっかかりがあって立たせてもらって、そこから自信もついて、あの繋がりができていったので、本当に感謝しています。
山本:いえいえ。
私が提供できるのは最初のほんの一部で、そこからはやっぱりその人の熱量や行動力だと思います。
夢見キッチンを使ってみてよかったことは設備とオンラインコミュニティ

山本:先ほど、夢見キッチンのサポート体制について触れていただいたのですが、他に夢見キッチン使ってみて良かったことはありましたか?
鈴木:いろいろ設備が整っているので使いやすかったです。
山本:ありがとうございます。道具とか機材的なものですね。
一応道具類は焼き菓子であれば一通り、何も持ち込まなくても作れるくらいのものは揃えています。
利用者さんにアンケートを取って要望が多かったものを追加したりもしています。
鈴木:あと、オンラインコミュニティに参加させてもらったのも凄く勉強になりました。
山本:鈴木さんは夢見キッチンオンラインコミュニティの1期生なんですよね。
同期の方も、今でも活躍されている人が多いです。
鈴木:同期の方から紹介してもらったマルシェに参加したりして、横のつながりもかなりできました。
カフェ開業を目指して一年前から店舗探し。まずはテイクアウトから始めることに

山本:ちなみに、最初にマルシェ出店などから始めた時から「いつかは店舗としてガッツリやろう」という思いがあったのでしょうか?
鈴木:はい。勝手にいろいろ妄想していたのでイメージだけはありました。
元々、ドッグカフェをやりたいっていうのが何年か前からあったので。
本当は今回も店舗は一年前ぐらいから探していて、カフェができるスペースを探していたのですが、資金が足りなかったり既に決まってしまっていたりでなかなか見つからなかったんです。
山本:物件探しは一番の難関ですよね。
鈴木:今の物件を見つけた時は、正直「こんな狭いところでできるのか」と思いました。
でも、たまたま内見もスムーズにできて、知り合いの建築の方にもお店として営業できるか相談したら問題ないということもわかってきて。
カフェとしては難しいけどテイクアウトならいけますよということだったので、まずはテイクアウトでスタートしてみようと思ってやることにしました。
山本:私も一年位前から物件を探しているというお話と、なかなか決まらないというお話は聞いていたので、物件が見つかった!と聞いたときは「ついに!!」という感じで嬉しかったです。
お客さんは心の支え。来ていただくたびにやりがいを感じています

山本:話は変わるのですが、これまでの活動で一番辛かったことってなんですか?
鈴木:去年、本当にいろんなところに出店していたんですが、出店の時って本当に荷物が多くて。
スコーンを持って犬グッズも持って、ガラガラを引いてリュックを背負って、駅や階段を登ったり下ったりしてたら、背中やら足やら肩やら全部やられてしまって。稼いだお金が全部整体に飛んだっていうのが辛かったです。何のために私やってるんだろうと思って。
山本:すごく分かります。
鈴木:でもやっぱり会場に行くと、毎回来てくださる方がいたりして、それが心の支えになりました。
挫けそうになっても、ちゃんと始めたからには続けようと思いましたね。
山本:なるほど。続けるモチベーションはやっぱりお客さんですよね。ちなみに一番楽しいのはやっぱり今ですか?
鈴木:そうですね。店舗のオープン時に「いたばしタイムズ」の方が偶然通りかかって掲載してくださったこともあって、お客様とインスタのフォロワーの方がものすごく増えたんですよね。
たくさん来てくださって、「美味しい」って言ってもらうのがやっぱり一番嬉しいです。
今までのお客様が来てくださるのも嬉しいですし、新たにリピーターの方ができたのもとても嬉しいので、忙しくて寝不足だったりしますけどやりがいを感じています。
山本:今、店舗オープンからちょうど3ヶ月くらいですね。
最初は本当に大変そうでしたが、少しずつ慣れてきた頃でしょうか。
シェアキッチンをずっと使ってて、こうやって自分の場所を手に入れるとやっぱり「自分の場所っていいな」って思ったりしますか?
鈴木::そうですね。
自分の性格上をちょっと時間に追われてやるとミスしがちで、慌ててしまうのでもう自分のペースでできるっていう点では、自分のお店があるのはいいなって思います。
定休日をシェアキッチンとして貸し出し「やりがいが生まれる場所」を提供したい

山本:Albaさんは、夢見キッチンのフランチャイズに加入してくださっています。
定休日をシェアキッチンとして貸し出すという、私としても新しい取り組みを一緒に進めているところです。
最初に鈴木さんから「定休日をシェアキッチンとして貸し出したい」というお話をいただいた時に、自分がやってきた道を別の人にもまた体験してほしい、夢がある人に協力したいという思いを感じました。

鈴木:そうですね。山本さんが私に場所を提供してくださったように、作って販売できて、ダイレクトにお客様の反応が分かる場所を提供したいなっていうのがありました。
それがやりがいにもなると思って相談させてもらいました。
山本:Albaさんのキッチンを借りると、宣伝協力やアドバイスもたくさんもらえて、私から見ても羨ましいくらいです。
初めて自分のお菓子を販売する立場だったらとても心強いと思います。
鈴木:ありがとうございます。
山本:既に何名かシェアキッチンとしても利用されている方がいらっしゃるのですが、普段毎日Albaさんが営業される中で「今度こんなお菓子が販売されますよ」など宣伝してくださるので毎回盛況なんですよね。
やっぱり個人で販売する時は集客が一番大変だと思うので、ここの協力があるのはとても大きいです。
初めて自分の商品を販売する方にとっても販売できた、たくさん売れた経験が「今後も続けたい」という原動力になると思うので、とってもいい形でスタートさせてあげられてるような感じがしていて、個人的にもAlbaさんのキッチンはおすすめです。
お店の進化を支える「旦那さんとの協力体制」

山本:鈴木さんはマルシェの時からよく旦那さんが顔を出されていて、今も店頭に一緒に立ってらっしゃいますよね。
店舗を出す前から旦那さんは自営業をされていて、当時は鈴木さんはそれを手伝いながらご自身の販売もされている形だったんですよね?
鈴木:そうです。
山本:それで、店舗を出したら今度は旦那さんが鈴木さんに協力することも増えて。
今はお互いがお互いの仕事をしつつ手伝いつつみたいな形でされているんですね。
鈴木:店舗については、最初は私のワンオペでやるつもりだったのが全くできず(笑)破綻しそうだったので、一緒にやってくれることになりました。
最近では、スコーンの製造も旦那がやっていることも多いです。
気づいたら私よりも上手くなっていて、逆に私が教わってるっていうおかしな現象も起きています。
山本:シェアキッチンを借りて販売されていたときは、旦那さんは製造はされていませんよね。
それがお店をやり始めたら鈴木さんもやることが多すぎて、旦那さんも製造するようになったということですね。
鈴木:そうなんです。なんか更なる工夫とかもしてくれちゃってます(笑)
山本:旦那さんの協力がなかなか得られない方もいらっしゃると思うのですが、これだけガッツリ二人三脚でやられているのって素敵ですね。
鈴木:旦那さんが協力してくれたからなんとかスタートができて、大変なことも乗り切れてきているのは本当に実感しています。
山本:旦那さんも、よく鈴木さんのこと褒めてますよね。
鈴木:そうですか?怒られることばかりな気がするんですけど(笑)
山本:嬉しそうに「気づいたらすごい種類生み出してるんだよ!」みたいなお話されてるのをよく聞きます(笑)
「俺にはこんな具材の組み合わせ思いつかない!」とか。
鈴木:はい(笑)
山本:そしていつも楽しそうなのがいいなと思います。
一人でやると心細いこととかある思うのですが、一緒に走りながら理解してくれる人が常にいるというのはありがたいですよね。
鈴木:うんうんうんうん。
心強いですし、商品としても「新しくこういうのを作ったらいいんじゃない?」みたいな相談もできるしありがたいです。
次の目標は「一年を乗り切ること」、将来的には「ドッグカフェのオープン」

山本:これまで、「店舗を作る」というのを一つの目標としてやって来られたと思うんですけど、それをクリアした今、次の目標はありますか?
鈴木:お店ができてまだ一年経ってないので、まずは一年間を乗り切るのが近々の目標ですね。
これから夏になりますが、夏は焼き菓子があまり売れないので、どういった商品の展開をしていこうとか考えています。
山本:夏はどんな展開を考えているのでしょうか?
鈴木:アイスサンドとかをやってみたいなって思っているので、それを今試作しています。成功はしてないんですけど…。
フラッペとかスコーンパフェとかも考えています!
山本:スコーンパフェ!想像できない!どんどん進化していくんですね。
鈴木:あと、夏に限らずお客様の中に「こういうスコーン食べたい」とか言ってくださる方が何名かいるんです。
珍しいモチモチスコーン白玉粉を使ったもちもちスコーンとか。
お客様とのコラボで新商品ができたりもするので、そういうのも楽しみながらやっていきたいなと思っています。
山本:楽しい目標ですね。聴いているだけでワクワクします。
ではもっと未来の、将来的な目標はありますか?
鈴木:将来的にはやっぱりドッグカフェですね。今のテイクアウトのスコーン販売の経験を活かしてカフェのオープンにつなげていきたいと考えています。
山本:やっぱりのんびりそこで食べながら時間を過ごしたりできる「カフェ」という空間が好きなんですね。
今回のお店はまだまだ通過点で、この先も見据えているのが素敵です。
いつか自分のお店を持ちたい方へのメッセージ

山本:これからマルシェの出店をしたいという方、そこからいつか自分のお店を持ちたいと考えている人にアドバイスをいただけますか?
鈴木:私は毎回、出店したときには日記みたいにノートをつけていたんです。
何月何日どこどこで天気はどんな天気で、気温はどれくらいかっていうのを書いて、販売した種類と個数を書いて。大体どれくらい売れたかを記録することで、どの時期はどれが売れるかを把握するようにしていました。作りすぎて在庫になってしまわないように、なるべく売上が出るように調整していきました。
山本:次回への予測ができるように記録をつけていたんですね。
鈴木:製造・販売するのは楽しい夢ではあるんですけど、現実も見ながら進めて行って欲しいなって思います。
あと、やっぱり熱意って人に伝わります。
自分の作るお菓子に対する思いをお菓子に込めるのはもちろんのことなんですが、買いに来てくださったお客様とのコミュニケーションをしっかり取ることで次回の購入にもつながりやすくなると思います。
こういったサイクルがやりがいにもつながっていくと思っています。
山本:ありがとうございます。店舗を出された今でもマルシェはAlbaさんの原点ですね。
今でも結構マルシェの活動も続けていらっしゃいますよね。
鈴木:マルシェごとに、いつも来てくださるファンのお客さんがいるので、出来る限り続けていきたいなとは思っています。
山本:お店に定休日はあるのですが、お店が休みの日はマルシェに出してるので全く休みがないんですよね。
鈴木:そうなんです。でも、やっぱやりがいがあるので頑張れます。
山本:本当に尊敬します。これからも、体に気をつけて頑張ってください!応援しております。
今日はありがとうございました。
鈴木:ありがとうございました。

