開業記録

私がマルシェ出店に挫折した5つの理由

店舗を持たないお菓子屋さんとして、マルシェ出店から始まった夢見菓子。

現在はほぼ100%ネット販売のお店になっています。

それには、私がマルシェ販売に挫折したいくつかの理由が深く関わっているのです。

今回はそんなマルシェに出店してみて続けることを断念した訳を体験談を交えてお伝えします。

これからマルシェ販売を始めたい方にはぜひ参考にしてほしいお話です。

音声で聞きたい方はこちら↓

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マルシェに出店してよかったこともある

私がやっている「夢見菓子」というお菓子屋さんは店舗を持たずに、製造室だけ持っている状態です。

マルシェの出店から始まり1年程続けて、その後ネット販売へ移行しました。

マルシェ出店は私の性格や環境が合わなくて挫折してしまいましたが、出店したことに後悔はなく、1年間続けていたということはもちろん良いところがあったからです。

出店してすごく良かったことはお菓子の評価がわかること、つまり市場に出した時にお客様がどんな反応をするのかダイレクトに感じられることがとても良かったのです。

知り合いやネットで見た方が気軽に来てくださって、「ずっと気になってたんです」と言ってくれたのはとても嬉しかったです。

ダイレクトな出会いの場というか、そういう意味でマルシェは「生」で喜びを感じるこができ、お客様も楽しんで買い物ができるところは本当にいいことだと思います。

マルシェ出店に挫折した5つの理由

いいところはありましたが、私はマルシェ出店に挫折してしまいました。

その理由は5つあります。

  1. 対面販売のコミュニケーション能力がない
  2. 同じ場所に一日いるのが苦手
  3. 商品がマルシェに向かなかった
  4. 車がなく移動が大変だった
  5. 天候・温度変化が苦手だった

それぞれ詳しく見ていきましょう。

対面販売のコミュニケーション能力がない

挫折した1番大きな理由は対面販売のコミュニケーション能力がとても低いことがわかったからです。

通りがかりの方を捕まえて、こういうお菓子なんです!と営業トークするのがすごく苦手でした。

ラジオだったり初対面の人とは結構しゃべれるタイプなんですが、商品のことをPRするのはどうしてもうまくできません。

そもそもネット販売の場合は興味がなければ販売ページに来ることはないのですが、マルシェだと全然興味がなくてもふらっと通りがかる方がいるので、そういう方をファンにする力がとても必要です。

山本蓮理
山本蓮理
そういう方に私のことゼロから知ってもらって、説明する時間を楽しむことができず、負担に感じてしまったのは私の性格的な問題だと思います…

もちろん一度来てくれた方がリピーターとなりまた来てくれた時はすごくうれしかったですし、知り合いの方が気軽に来てくれたことにもとても救われていたんですが、単純に対面販売のコミュニケーション能力が私にはなかったのです。

さらに私のように女性一人で出店してると、たとえ爽やかな晴れ渡った白昼でも、酒場でくだを巻いているような対応がむずかしいおじさんに絡まれることがよくありました。

私がそういう方を捕まえやすい性質で、マルシェが悪いのではないのですが、そういう方をうまくあしらうコミュニケーション能力もなかったなと思います。

このように対面販売に特化したコミュニケーション能力が私には足りなかったのです。

同じ場所に一日いるのが苦手

挫折した理由の2つ目は一箇所にとどまって一日中いることが苦手だったことです。

マルシェは早いと9時や10時から始まり、遅いと20時や21時までやっているところもあります。

丸一日営業して、ひっきりなしに人が来るようなお店だったらいいんですが、当時は駆け出しのお菓子屋さんで、人が来ない時間もありました。

お客様が来るのを一日待っていないといけなくて、だんだんとそれが負担になるようになりました。

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商品がマルシェに向かなかった

挫折した理由の3つ目は、私が作っている商品は説明が必要なものが多く、そもそもマルシェに向かない商品だったこと。

当初販売していたお菓子は今の夢見菓子とは違いますが、お酒の入った物語がある商品で、パッケージや販売の方法にもこだわっていました。

しかし、マルシェにくる方はあまりそういうものを求めてないなと肌で感じ、その場でぱっと買っておやつに食べられるもののほうが売れてるように思いました。

例えば私が作っていたものは世界観を大事にしていて箱で売りたかったのですが、マルシェでその場で買って食べたい方には箱がいらなかったりと、需要に合っていませんでした。

お酒が入ってるので、お子さんが食べられないことも問題です。

マルシェは家族連れも多く、試食出していた時に子供が取りにきてしまい、「ごめんね、お酒入ってるから食べちゃダメなんだ」と言うと、お母さんも困った顔してその場を去っていくのはとても切ない体験でした。

さらには仕事のお昼休みに来た方にお酒の入っている商品をおすすめできず、夜の世界と謳っている商品の世界観と、マルシェがやってる時間帯も合いませんでした。

世界観が昼間に出店することに似合わなすぎて、説得力がなくなってしまったのです。

本当に商品がマルシェに向いていなかったのは反省点です。

車がなく移動が大変だった

挫折した理由の4つ目は車がなく移動がとても大変だったこと。

他の出店者さんはだいたい車で来ていました。

出店するのにテントやテーブルが必須で、貸してくれるところもありますが有料ですし、貸し出しの数が少なくて借りることができないこともありました。

そのため私はキャンプで使うような折りたたみのテーブルを購入し、ベルベットの赤紫のカバーをかけ、その上に商品を並べていました。

テントは組み立てが必要で一人だと大変なので、テーブルの真ん中に刺せるタイプのパラソルでしのいでいました。

しかし日が傾いてくると、商品が直射日光にさらされて置いておけなかったので一時販売休止ということもありました。

山本蓮理
山本蓮理
こういった備品の準備など、販売スペースを自分で演出できないと難しいと思います。

車がないと電車移動になりますので、テントやテーブル、商品を折りたたみ式のキャリーカートに乗せて一人で運んでいましたが、狭くて改札が通れなかったり、階段に苦労しました。

カートに全てのせた時点で一人で持ち上げられる重さではなかったので、エレベーターやエスカレーターを探して遠回りすることもあり、移動がとても大変でした。

このように設営諸々、自分の環境的にマルシェ出店は難しかったのです。

天候・温度変化が苦手だった

挫折した理由の5つ目は天候や温度変化が激しく、それが私にとっても商品にとっても苦手だったこと。

春秋はあまり問題ありませんが、夏場は猛暑で立ってるだけで汗がダラダラと溢れ出て、一日中なので体力的に辛かったです。

商品ものどが渇くような焼き菓子で、夏場に外で買って食べようと思いませんよね。

さらにお菓子も外に置いてると品質が劣化してきて、それを見ているのもお菓子がかわいそう、だんだんと何をやってるんだろう、と思うようになりました。

マルシェ出店に慣れてる人は出店する期間を決めて、夏はやらないという人もいるのですが、最初はそういうことも知らずに頑張ってやっていました。

駅構内のイベントスペース等屋内なら問題ないですが、屋外はお菓子販売には難しいですね。

マルシェ出店に向けて改善すること

マルシェ出店は挫折してしまいましたが、出店自体はいつかまたやりたいと思っています。

夢見菓子が低糖質・低カロリー専門になってから1年程たち、まだ一度もマルシェ出店をやっていません。

最初にお伝えした通り、いいところはダイレクトにお客様の反応を見ることができますし、知り合いや気になっているけど通販を迷ってる人に向けて、買ってもらう場所を作るのはいいことだと思っています。

しかし挫折した理由を克服しないといけないと思うので、どうするか考えてみました。

  • コミュニケーション能力が高いスタッフに売ってもらう
  • 季節・場所は選ぶ
  • 事前に宣伝をしてソールドアウトするくらいの状態で出店

まずは私ではなく販売が得意なスタッフに売ってもらいます。

もちろん私もその場には行きますが、得意な人にやってもらうのもひとつの手かなと思います。

そしてきちんとお菓子販売に向いている季節・場所を選びます。

さらに事前に宣伝をしっかり行いたいと思います。

夢見菓子のことを全く知らない人に対してその場で売ることが難しいなら、知ってくれている方にたくさん来てもらえる状態を作るのが得策です。

このように、次に出店するときは万全の状態で出店できるように準備して臨みます。

ということで、私がマルシェの出店に挫折した理由をお伝えしました。

マルシェ出店を検討している方の参考になれば幸いです。

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