【夢見キッチンの人々#12】nikopresso 兼原百華さん
夢見キッチンの利用者さんに今の活動などをインタビューする企画の第12弾!
今回は、夢見キッチン代田橋の月会員を経て高円寺にご自身のカフェをオープンされた「nikopresso」兼原百華さんにお話をお伺いしました。
今後レンタルキッチンのご利用を検討されている方、ご自身でお店をやりたい夢のある方はぜひ参考にしてみてください。
カフェでの勤務を経て、ラテアートとマフィン作りが好きになる。
2023年より店舗を持たないマフィン専門店「niko muffin」として製造・販売をはじめ、都内を中心に様々なマルシェへの出店を果たす。
2025年4月に東高円寺にておやつカフェ「nikopresso(ニコプレッソ)」をオープン。
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13309380/
https://www.instagram.com/nikopresso/
「niko muffn」としてマルシェに出店。店舗を持って「nikopresso」に改名

山本:今日はよろしくお願いします!
兼原:よろしくお願いします。
山本:まずは、自己紹介からお願いできますか?
兼原:nikopressoという店名で、焼き菓子とコーヒーのお店をやっています。お店を持つ前は「niko muffin」という名前で、マフィンのネット販売やマルシェ出店を通して活動をしていました。
店名の「Presso」は、「そばに寄り添う」という意味があって、このお店に来てくださる方々の日常に寄り添えるようにという思いが込められています。
山本:そうなんですね!「エスプレッソ」から来ているのかと思ってました。
兼原:それもあります。コーヒーも出すので、カフェらしい名前にしようと思いました。
山本:兼原さんは夢見キッチンの利用を経て独立されましたが、ご自身の店舗をオープンされたのはいつでしたか?
兼原:2025年の4月からですね。
山本:もう一年半も経つんですね!
兼原:あっという間でした。
山本:その前のマルシェなどに出店していた期間はどのくらいでしたか?
兼原:丸2年くらいです。マルシェとネット販売をやっていましたね。
山本:その期間もかなり充実した活動をされている印象でしたが、2年だったんですね。すぐにお店をやっている期間の方が長くなっていきそう。駆け抜けてますね!
住所:東京都杉並区高円寺南2-37-13
最寄駅:丸の内線東高円寺駅
営業時間:不定期 Instagramにてご確認ください
働いていたカフェでの商品開発を通してマフィン作りがさらに楽しく!

山本:最初、マルシェではマフィンを販売されていましたが、やろうと思ったきっかけはなんでしたか?
兼原:元々保育士として働いていたのですが、「好きなことを仕事にしたい」と、カフェに転職しました。
カフェで働くうちに、ラテアートとお菓子作りが好きだなと思うようになってきて。働いていたカフェではイベントを年に何回かやっていたのですが、イベント用のマフィンの商品開発を店長さんが任せてくれたことがあり、その試作していたらさらに楽しくなってきて、自分で販売をしてみようかなと思うまでになりました。
山本:最初からお菓子を作るならマフィン!だったのでしょうか?
兼原:個人的に、次の日の朝ごはんを楽しみに用意するのが好きで。得にマフィンやベーグルは朝ごはんにぴったりなので、さまざまなお店のものを買ったりしていました。
山本:朝ごはんを楽しみにするって「日常をイベントに」する感じで素敵ですね!
兼原:そのうちに自分でもマフィンを作るようにもなって。働いていたカフェの店長さんは私がマフィンにハマっているのを知っていてくれて、イベントでも任せてくれたんだと思います。
山本:幸せな連鎖ですね。
兼原:そのイベントでの商品開発を通して、いろんなフレーバーの組み合わせを考えるようになったら、さらにマフィン作りが楽しくなったんです。そこから今の道につながっていきました。
山本:お店の商品として販売する経験を通して、最初にマフィンと向き合った瞬間だったのですね。
「にっこり笑顔になれるような可愛いおやつ」をテーマに営むおやつカフェ

山本:今、ご自身のお店で販売されているお菓子や飲み物について教えてください。
兼原:はい。店名に「niko」と入っている通り、「にっこり笑顔になれるような可愛いおやつ」をテーマにしています。マフィンは、派手さはないけどまた食べたくなるようなおやつだと思っています。そんなマフィンをはじめとした、日常に寄り添えるようなおやつを目指しています。
山本:マフィンはマルシェで販売していた時と同じフレーバーも見られますね。マルシェの出店の時はいつも新商品を出していらっしゃって、種類が多かったイメージがあります。
兼原:そうですね、季節ごとに変えたりするのが楽しくて、種類はたくさん作っていますね。
山本:これまでに何種類くらい作ったのでしょうか?
兼原:30種類くらいはあると思います!
山本:すごいですね。一番人気はなんですか?
兼原:くまの顔が描いてある、プレーンですね。
あと、正確な統計は取れていませんが「塩バニラ」はマルシェの出店者さんからも人気です。
季節のものは、果物とクリームチーズを組み合わせるのが多いのですが、それが好きと言ってくださる方も多いですね。
山本:塩バニラ、私も大好きです。店舗を持つようになってからは、マフィン以外のお菓子も作っていらっしゃいますよね。
兼原:そうですね。お店の近くに保育園や学校があるお子さんたちが来てくれるようになってから、クッキーなども増えました。お子さんはクッキーが食べやすいみたいです。
あと、イートインする方はケーキがあった方が喜ばれるので、ケーキ類も少しですが置くようになりました。
山本:マルシェだとどうしても制約があって作るものも絞られますよね。店舗だとお客さんに合わせて柔軟に対応できるのがいいですね。
兼原:そうですね。マルシェで販売することを考えると、常温で割れることもないマフィンはすごく良かったですね。運ぶのが重いですけど(笑)
山本:ボリュームがある分運ぶのは大変ですね。店舗で出している飲み物は、やはりカフェで働いていた経験から考えられたのでしょうか?
兼原:カフェでの経験は生きてますね。ラテアートは趣味みたいな感じで講習にも通っていたので、お店でも出しています。
山本:カフェで働いていた時代のお話を聞いたことがあるのですが、ラテアートの大会にも出場されていたとか。
兼原:何店舗もあるカフェで働いていた時に、店舗ごとに代表を出す大会が開かれていて。働いていた店舗の中で選出されたことがあります。
山本:私も先日お店に伺った時にくまのラテアートしていただきました!

とにかくマルシェに出店してみたくて、夢見キッチンへ

山本:最初に夢見キッチンに見学に来てくださったのは、検索がきっかけでしょうか?
兼原:検索ですね。マフィンを焼くのにハマり出した頃、マルシェに出たくて。どうやって出るんだろう?と調べたら、シェアキッチンで作らないといけないことがわかったんです。それで検索したら「夢見キッチン」を見つけました。代田橋で家から近かったことと、「夢見マルシェ」が開催されていることで迷わず見学に行きました。
山本:2023年の春くらいなので、私もまだマルシェを始めたばかりの頃でした。確か最初は大山のかめやキッチンのマルシェに出店していただいたんですよね。
兼原:大山のかめやキッチン、懐かしいですね。マルシェの出方がわからなかったので、夢見キッチンに登録したら出店できる道があるというのがすごくありがたかったです。
マルシェを調べるとマルシェ自体の情報は出てくるのですが、どうやったら出店できるのか、どう進めばいいのかがわからなくて迷っていたので。
山本:そんなに悩んでいらっしゃったんですね。私の印象としては、見学に来てくださった時から、すでにいろいろ調べて準備されているなあと思った記憶があります。すぐにマルシェも出てくださって。マルシェと同時くらいでネット販売もされてましたよね?
兼原:そうですね、ネット販売とマルシェはほぼ同時のタイミングでした。
ネット販売はとりあえず「販売をしてみたい」となってやってみた感じですね。知名度も全然なかったので、最初は知り合いの方が買ってくれて練習させていただいた感じでした。
それがマルシェに出続けていくうちに、一般のお客さんからもネットでの注文が入るようになっていって。「お店になってきたなあ」と実感が湧いてきました。
山本:最初に用意しておいたネット販売と、マルシェの出店が両輪で回るようになってきたんですね。いい連鎖ですね!月会員として月3回、コンスタントにキッチンを利用していただいていたのも、着実な経験を積んで今後の販売計画を立てていく基盤になったのではないでしょうか。
兼原:そうですね。夢見キッチンを利用することで「いつかカフェやりたい」という夢に向かって着実にステップを踏めたのでありがたかったです。
半年の物件探しを経て今の店舗に出会い、即決!

山本:店舗を持たれるまでのお話をお聞きしたいです。
兼原:夢見キッチンを借りた一年目くらいはまだお店は探していなかったのですが、将来的にカフェをやりたいという目標はあったので、東京都がやっている支援サービスのTOKYO創業ステーションに通って事業計画づくりを始めたりはしていました。
委託販売をしていた西荻窪のオーナーさんが「勉強になるから」と背中を押してくださったのがきっかけです。
それに行き始めてから、より強く「いつかカフェをやるんだ」と思うようになりました。
山本:事業計画って最初は馴染みがなくてとっつきにくいですよね。私も東京都の融資を受ける際にアドバイザーさんについてもらって作成しました。
実際、その事業計画書をもとに融資を受けられたのでしょうか?
兼原:はい。最終的には融資は受けました。
でも実は、事業計画書が完成する前に早くやりたくなっちゃって加速して探し始めたりもしていました(笑)
最初に紹介してもらった物件でいいところが見つかって、それは融資までできていないのに申し込んだりして。結局、ご縁はなかったんですけど。
山本:勢いがありますね(笑)兼原さんらしいかも!最終的に今の物件が見つかったのはいつ頃ですか?
兼原:本腰入れて探し始めて半年くらいですね。
場所にはそんなにこだわりがなかったので、物件案内してもらったら見に行ってみようという感じで、いろんなところを見ました。
今のところは前は人気の洋食屋さんだった物件で、居抜きでした。造作譲渡もあって、すでに菓子製造業を取得した実績もあり、場所的にも良くて即決でした。
山本:自分で内装工事を発注したりするとかなり費用が変わってくると思うので、居抜きで出会えたのは本当に良かったですね。
兼原:そうですね、壁は自分で塗ったりしましたが、初期費用としてはかなり得だったと思います。ただ、借りたときはこのまま営業できると思っていたのですが、意外と「ガスコンロはいらないな」とか「ここにオーブンを追加したい」とかが出てきて、置いていってくださったものを全部使うわけではなくて。撤去するのが大変でした。
山本:捨てるのって案外重労働だったりしますよね。
兼原:掃除と、捨てるのと。まだまだ自分では知らないことが多くて、勉強不足だったなと思いました。
山本:それでも資金的にはかなりラッキーだったような気がします。事業計画の時点ではゼロから揃えるイメージがあったかと思うのですが。
兼原:そうなんです、最初はゼロからやろうとしてたんですよ。今ではとんでもなかったなと思います。
やってるうちに色々変えたいところも出てくるので、居抜きで最初の形があったのも良かったと思っています。
山本:事業計画作成をはじめ、物件を探し、借りて、やっぱり決断が早いのが兼原さんのすごいところですね。
兼原:決めたら本当に勢いがすごくて。結構引かれるんですけど(笑)
山本:キッチンを借りてくださる方もさまざまなので、途中長いお休みを取られる方もいらっしゃるのですが、そういった期間はなかったような気がしますね。最初の見学に来られて、店舗を構えるまであっという間でしたね。
兼原:確かに、常に何かしらやってましたね。楽しかったのが一番大きい理由かも。
マルシェに出れば出るほどお客さんとも触れ合えるので、コツコツやることに意味があるんだなと思って進んできました。
お店に来るのを楽しみにしてくれるお客様との時間を守っていきたい

山本:ご自身の店舗を持って一年半ということですが、今後の目標はありますか?
兼原:この一年半で毎週来てくださる方、決まった間隔でルーティンで来てくれる常連さんもできました。ここに来るのを楽しみにしてくれている、大切にしてくれているんだなと思うことが増えて、そういう時間を守っていけたらいいなと今は思っています。
お店を大きくしたいというよりも、目の前にいらっしゃるお客様を大切にしたいですね。
山本:素敵ですね。これまで、一番大変だったことはなんですか?
兼原:実は、店舗をオープンしてからよりもオープン前の方が辛かったんです。物件の引き渡しから1ヶ月でオープンしたのですが、最初は締め切って片付けなどをやる時間ばかりでした。その間に「本当に大丈夫なのか?これからやっていけるのか?」という不安がどんどん出てきてしまったんです。
山本:誰とも話さないで自分と向き合ってる時間、怖いですよね。わかります。
兼原:いざオープンしてからは、なんであんなに怖がっていたのかと思うくらい良いお客さんばっかりで。恵まれてるなと思っているのですが、あのときは怖かったですね。
山本:オープンと同時に不安が払拭されて良かったですね。マルシェの時から来てくださるお客様もいらっしゃるのでしょうか?
兼原:いらっしゃいます。
あと、夢見キッチンの帰り道に雨が降っていたことがあって、私は荷物や商品で両手が塞がっていたのですが、その時に傘を貸してくださった方がいたんです。その時に、お店の話をした方が、今も来てくださっています。
山本:そんな出会いがあったんですね!どこまでも優しいお客さんですが、兼原さんの人徳でもありますね。
最後に、これから自分のお菓子販売を始める方やカフェを持つ夢がある方にメッセージをいただけますか?
兼原:まずは始めてみることですね
始める、続けてみる。その中で何をモチベーションに続けていけるかを見出すのが大事だとっています。
大変なこともあるんですけど、私は本当にやって良かったと思っているのでチャレンジしてみてほしいなと思います。
山本:兼原さんにとっての「続けるモチベーション」はなんでしたか?
兼原:いまだに不思議な感覚ではあるのですが、やっぱり「お客さんができる」ということでしょうか。自分のお店を通して自分お客さんに出会えるって、当たり前かもしれませんが自分のお店でしかできないことなんですよね。日々すごいことだなと思っていますし、やりがいがありますね。
山本:なんだか勇気が湧いてくるお話です。今日はありがとうございました!




